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最高裁判所第一小法廷 昭和41年(オ)1277号 判決 1967年6月22日

上告人

中沢ムメ子

(外四名)

被上告人

中沢きゑ

(外三名)

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告人らの上告理由一について。

共有持分権の放棄は、本来、相手方を必要としない意思表示から成る単独行為であるが、しかし、その放棄によつて直接利益を受ける他の共有者に対する意思表示によつてもなすことができるものであり、この場合においてその放棄につき相手方である共有者と通謀して虚偽の意思表示がなされたときは、民法九四条を類推適用すべきものと解するのが相当である。したがつて、これと同趣旨に出た原審(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の判断は正当であり、その他原判決に所論の違法は認められない。論旨は、独自の見解に立つて、適法になされた原審の事実認定とその認定に基づく判断を非難するに帰し、採ることができない。

同二について。

所論は、原審において主張しない事実を主張し、それに基づいて原判決の違憲をいうものであつて、採ることができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(大隅健一郎 入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田誠)

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